心の中に奏でる、永遠の向日葵
「全国に行けるのは上位二人までだから、ここで勝ったら、水田は全国大会出場決定だよな?うわぁ、緊張してくる」
「心配することはない。水田はすごい努力してきたんだし、絶対に決勝に行く」
伊藤と俺が話す。黒西も、頷いた。
「私もそう思うわ。なにせ、優勝候補も倒したんだもん」
そうだ、水田。絶対に勝てる。
水田と、相手の榊原さんが出てくる。
おなじみの動作をすると、試合が始まった。
やはり、どちらも全国大会出場がかかってるかなのか、出方を伺っている。俺は、両手を強く握りしめた。
パンパン
一気に竹刀が触れ合うが、すぐに離れる。審判は無反応なため、だれが勝ちとかはないらしい。
さすがに、伊藤も黒西も緊張しているのか、二人とも黙りこくったまま、必死な目つきで試合を見ていた。
それから、三回ほど同じようなことが起こったが、まるで決着がつかない。
勝てる。絶対に勝てる。
そう思っておかないと、水田は勝てないような気がする。
逆に確信しておけば、それはきっと現実になるはずだ。
三分ほどたったが、お互いに一回もポイントを取れていない。
と思ったら、何やら急に、審判の人が話し合いを始めた。
「また延長戦になるわね。ここからは、先に一ポイントでも先に取った人の勝ちになるわ」