心の中に奏でる、永遠の向日葵
出会い
出会い
「それじゃ、明日からは通常授業が始まるから」
先生はそれだけ言うと、教室から出て行った。
すると、周りの生徒もいそいそと教室を出て行ったり、友達と話したりと、個々で違った動きをしている。
俺も帰ろうとカバンを肩にかけると。
「空川!」
後ろから、俺の名前を呼ばれた。なんとなく誰かは分かったが、一応後ろを振り向くと、そこには案の定、手を振ってこちらに向かってくる、伊藤の姿があった。
「いやあ、さっき十分に話せられなかったからさぁ」
すると、横から黒髪を後ろで束ねた、伊藤と仲がいい(推定)女の子が近づいてきた。
「あんたは、もう十分喋ったじゃない。次は、私の番よ」
女の子は、伊藤を押しのけると、俺の前に立ってニコッと笑った。
「私の名前は、黒西絵里(くろにしえり)。これから、よろしくお願いします」
「は、はあ…」
今度こそ、愛想のいい返事をしようとしたが、またもやあっけない返事となってしまった。