心の中に奏でる、永遠の向日葵
え?な、なんだ、急に?
いや、急なのは向日葵じゃないか。今までも、何度か向日葵と二人で出かけたことはあるし。
急なのは俺だ。急に、俺が動揺するようになっただけ。
「…い、行くよ。行かせてください!」
なんとか、声だけでも動揺を隠す。
「なんで急に敬語なのさ?まあ、いいや。じゃあ、また八時くらいに家に来てね」
どうやら、俺の動揺ぶりはバレていないらしい。こういう時は、盲目の向日葵をありがたく感じる。
俺は、それでも、収まらない緊張を隠すように、何度も「うんうん」と、呪文のように呟いていた。