心の中に奏でる、永遠の向日葵
俺は、向日葵にそう返した。
本当の事だ。名前が明るいだけで、性格なんか、全く明るくないし、たぶん向日葵も、俺の名前からそう言ってるだけだと思う。
すると、向日葵は「いやいや、そういう意味じゃないよぉ」と笑い出した。
「日向君は、太陽みたいに明るいじゃなくて、太陽みたいに優しくて温かいよねって事」
今度は、ちゃんと向日葵は俺の方へ顔を向けてくれた。が、俺は立っているのに、全く上を見上げずに、正面を見ている。
俺は、無意識にしゃがむと、向日葵の目線と自分の目線を合わせた。
「嬉しかったよ。ショッピングモールで言い返してくれた時。すごい嬉しかった」
お互いの顔の距離が、至近距離にあることも、きっと向日葵は知らないと思う。
青白い肌に、小さな鼻。どこを見ているのか分からない、焦げ茶色の瞳。
俺は「…うん」と返事をした。
「でも、向日葵の方が、ひまわりみたいだよ。すごい明るくて」
これ以上、褒められるのが恥ずかしくて、俺は話題を向日葵に向けた。
でも、向日葵は俺の言葉に、クスクスと笑い出す。
「日向君さ、知ってる?なんで、向日葵が英語で、サンフラワーなのか」
「え?そ、それは…。形が、太陽に似てる、とかじゃないのか?」
全く由来なんて知らなくて、俺は適当に答えると、案の定向日葵は「ぶっぶー」と言って、指でバッテンマークを作る。