心の中に奏でる、永遠の向日葵
あ、そういうこと…。
俺が安堵から肩の力を抜いて息を吐く。
そして彼女は、満面の笑みを浮かべながら力強く頷いた。
「そう。私は、盲目だよ」
そう言ってまた、「二ヒ!」と、白い歯を見せて笑う。
す、すごい。自分が盲目っていうのを、ここまで笑みを浮かべながら言えるなんて。
というか、俺にはそれ以上に気になる疑問があった。
「も、盲目なのに、ピアノ弾いてるの?」
すると、彼女は首を傾げる。
「盲目なら、ピアノ弾いちゃいけないの?」
予想外の返事に、俺はしまったと心の中で叫ぶ。
驚きの連発のあまり、相手を気遣うという事を忘れていた。
「ご、ごめん!別にそういう訳じゃ…」
「えへへ、冗談だよ、冗談。ちょっと困らせてみただけ。だって君、話してる時のトーン、暗いんだもん」
彼女は舌をペロッと出すと、見えないはずの窓を見つめて微笑んだ。