心の中に奏でる、永遠の向日葵



ほんと、子供みたいに明るい子だ。
 

「本当はさ。俺、諦めてるんだ、感情を持つのを。何かしらの感情を持ったって怒られるだけだし、感情をなくして指さえ動かせば、失敗することはないから」
 

「…ふーん。すごいね」
 

女の子の予想外の返答に、俺は目を丸くした。
 

「怒らないのか?俺、感情を放り出してピアノを弾く人間なんだぞ?」
 

すると、女の子はキョトンとして、またもや首を傾げる。
 

「なんで怒るの?っていうか、むしろ尊敬するよ。感情のなさをカバーできるくらいの腕を、君は持っているんだもん」
 

でも、女の子はそこではあっと息を吐くと、頬杖をついた。
 

「でもさ、そうやって感情なしでピアノを弾いてたって、いつかバレる日が来るんじゃないかな?」
 
「バレる日?」
 

女の子の唐突な意見に、俺は聞き返した。
 

「そう。感情をなくして、ロボットみたいに弾いてるだけだって、バレる日が」


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