心の中に奏でる、永遠の向日葵
感情がない恐怖
次の日学校に行くと、伊藤、黒西、水田の三人が仲良さそうに喋っていた。
そのあまりの仲のよさそうな雰囲気に、俺はすこし複雑な気持ちになりながら、自分の席についた。
なんだかんだ言って、俺は昨日から、でも彼らには、ずっと前から一緒にいた仲間だ。
そんな完成系のグループに、俺みたいな奴が、さらりと入り込めるわけがない。
俺は、ため息をつくと、窓の向こうの景色を見つめた。
四月だというのに、学校の木に桜は咲いていなかった。それでも、奥行きのある色鮮やかな葉っぱたちに、俺は目を細める。
ふと下の方を見ると、白いベンチが見えた。
そっか。きっとこの下は、昨日向日葵と初めて出会った、中庭なんだ。
ぼーっと見つめていると、突然人影が現れた。
焦げ茶色の髪の毛に、白い杖。間違いない、向日葵だ。
思わず窓を開けて、下を覗き見る。向日葵はベンチに腰を下ろすと、目を閉じて、手を膝の上に置いた。