心の中に奏でる、永遠の向日葵


慌てて振り返ると、一人の男の人が、俺を睨みながら、仁王立ちしている。
 

きれいなスーツに眼鏡をかけていて、体つきも結構いい。
 

胸の辺りに名札を付けているから、先生ってところだろう。
 

「何やってるんだ、こんなところで」
 

怒りのトーンが混じっている。
 

「い、いや、ただ…」
 

俺はなんていえばいいか分からず、無意識に女の子がいたベンチを見る。
 

ところが、さっきまでいたはずの女の子の姿は、もうどこにもなかった。
 

俺は、驚きのあまり、ベンチを見入る。
 

「おい、ちゃんと質問には答えろ」
 

今度は、切りつけるような口調。完全に怒っている。
 

俺は、心臓の鼓動が、ドクドク鳴るのを感じながら、震える口を開く。
 

「あ、あの、俺、こ、ここの転校生で、職員室を、探していたんですけど…」
 

最後は、ほぼほぼ自分でも何を言っているのか分からないくらい、小さな声になってしまった。


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