心の中に奏でる、永遠の向日葵

「アハハ！もう、君案外チョロいよ！最初あったときはかなり重症かと思ったけど、もうこんなに成長するなんてさ」
　
「そうかな？俺、成長してるのかな？」
　
「うんうん、すごいしてるよ！最初あった時よりも、声も音も、明るくなってるし！」
　

向日葵の性格が、少し移っちゃったんじゃないかと思ったが、そこは何も言わないでおく。
　

「ありがとう。なんだか、本当に幸せな気持ちになれたよ」
　

俺が向日葵にそう伝えると、向日葵は何も言わずに、静かに笑った。

俺も向日葵に自分の笑い顔を見てほしくて、これでもかと笑ったが、向日葵の目には映らないだろう。
　

向日葵は、「あ」と声をあげると、頭を動かして窓に向けた。
　

「温かく感じる。もう、夕暮れ？」
　

向日葵に言われて窓の外を見ると、確かに空は綺麗な夕暮れ色に染まっていた。

太陽が、三日月のように、西の方に沈みかけていた。
　

「すごいな。聴力だけだと思ってたけど」
　
「たぶん、視力を抜いた四感は、全部鋭くなってるんじゃないかな」