心の中に奏でる、永遠の向日葵



「えへへ。なんだか、温かいね。いつも一人だったから」
 

向日葵の言葉に、俺の鼓動は、またもや飛び跳ねる。
 

「い、行こうか」
 

俺は、緊張を隠すように、歩き出した。
 

まったく、なんでこうも向日葵は、ドギマギするような事を、平気で言えるのだろうか…。
 

子供のような笑顔をする人だと思っていたけど、本当は性格が子供なんじゃないかと思った。
 

しばらく黙ったまま歩いていると、階段に差し掛かった。

このまま下に行けばすぐに下駄箱だ。
 

そういえば、向日葵は階段を下りられるのだろうか?


 ふと疑問に思ったが、向日葵は何でもない事のように、階段を杖で二、三回叩くと、平然と降り始めた。
 

「階段…降りられるのか?」


俺が向日葵と一緒に階段を降り始めながら問いかけると、向日葵はくしゃっと笑って頷いた。
 

「当たり前でしょ。何年盲目やってると思ってるの?」
 

思わず苦笑した。



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