この瞳だけを見て





一通り部屋掃除が終わり、キッチンへ戻りお湯を沸かしてインスタントコーヒーを飲んで一服していると、祐奈がお風呂から上がってきた。



「あがったよ。遅かったでしょ?ごめんね」



祐奈の声がする方へ振り向くと、自分が用意していたスウェット上下が少し大きくてダボっている姿を見て、「可愛い…」と思わず本音が漏れた。


当本人は「ん⁇」コテンと首を傾げる。



「私、テレビ見てるからゆっくりお風呂入っておいで‼︎」


「あ、ううん」



好きな子が自分の家にいて、スッピンだし自分が用意した服を着てるし、行動言動全てにドキドキしてしまう。


それなのに祐奈を目の前にして、平常心でいられる自分が怖すぎる…


祐奈はそんな俺に気づいているのだろうか⁉︎





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