この瞳だけを見て




お風呂から上がった智哉は、タオルで髪を拭きながらリビングにやってきた。


案の定祐奈はテレビをじっと見ていたが、後ろを振り向くと丸眼鏡をかけている智哉に驚く。



「眼鏡かけてるところ初めて見たかも。目悪かったの?」


「うん、普段はコンタクトだよ。すごく目が悪いんだよね。両眼0.05ぐらい…眼鏡をかけると目が小さくなる」



「そうなんだ知らなかった…眼鏡姿も似合うね」


「それは褒め言葉なの⁇」


「うん、カッコいい‼︎」



見つめて言うと智哉の耳が段々と赤くなっていき、照れ隠しなのか手で耳を触り引っ張る仕草を見せた。


祐奈はそんな仕草を見せる智哉を可愛いと思い、クスッと笑った。



「まだ髪の毛濡れてるじゃん‼ほら、おいで︎乾かしてあげる」


「えっいいの?」



ソファに腰掛け足の間に祐奈を座らせた。





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