この瞳だけを見て




「なんでそんな見るの?」


「食べるの遅いなぁって…」



久々に再会してわちゃわちゃするというより、静かに会話をする。



「なんか面白い話ないの?昔の武勇伝とかさ〜」



暇を弄ぶ関谷は急な無茶振りをする。



「そうだな〜俺が中学のバスケ部だった時に延長戦、残り3秒とかで俺がパスカットして攻めて行ったのよ。残り3秒でレイアップシュート決めて勝ちました‼︎」


「へぇ〜初耳だわこの話」


「だって誰にも言ったことないもん」



「俺もね、中学の時野球部だったんだけど。大会で負けてた時に満塁で回ってきて、逆転のチャンスで三振しました」



へへへと笑いながらも、しっかりオチがある関谷であった。



「俺さ、賢人の恋愛話一度も聞いたことないんだけど。寧ろあえて触れてこなかったけど…」


「いや、聞いてこいよ⁉︎別に隠してなんかないし。てか、場所変えねぇ⁉︎」




確かに回転寿司屋で恋愛話をするのは、場違い感がある。





< 108 / 136 >

この作品をシェア

pagetop