この瞳だけを見て




茉侑と関谷の話を聞いていた小西と祐奈が近寄ってきて



「その話本当なの⁉︎」


「本当だってば〜みんな信じて‼︎ねぇ‼︎」


「あ〜分かった分かった‼︎」



関谷の肩を優しく叩いて落ち着かせる小西、力強く訴える関谷に根負けする我らだった。



✳︎ ✳︎ ✳︎



他にも、ある日の掃除時間



教室の掃除をしていた時、茉侑は腹痛で右手でお腹をさすっていた。


そこへ関谷が教室に入って、「ごめん遅くなった‼︎どこまでした?」と茉侑に話しかけてきた。


だがいつもと様子が違う事に気づいた関谷は、ふと思い出したかのようにポケットの中に手を入れて、貼らないカイロを手に取り茉侑に渡した。



「使いかけで良かったら使って‼︎」


「えっいいの?寒くない?」


「俺はいいから使ってよ‼︎」



意外と人のことを見てるんだなと思ったのと、察しの良さに正直ビックリした。



「俺さ、姉ちゃんが2人いるんだよね。もうねあらゆることを叩き込まれてるから、困った時何かあったら言えよ」



そういって黙々と掃除をし出した。





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