この瞳だけを見て
✳︎ ✳︎ ✳︎
結局保留にしたところで、毎日顔を合わせる訳だし、どちらにしろ気まずい。いつまでも返事を待たせるわけにはいかない。
〜1週間後〜
廊下を1人で歩いていた関谷を見つけた茉侑は、関谷のブレザーの袖を掴む。
「ちょっといい?」
廊下の踊り場で2人きりになったところで
「一つ聞きたいんだけど、これだけは守って欲しいことは何⁇」
って茉侑が聞いてみると、うーんと考える関谷。
絞り出した答えは…
「ずっと一途でいて欲しい。他の人を見ないで俺だけを見てて欲しい」
束縛なんじゃないかと捉える重い言葉ではあるが、関谷の真剣度が伺える。
「分かった、いいよ‼︎」
「返事早⁉︎いいの?喜んでいいの?」
「ちょっと待って‼︎」
茉侑は右手の小指を突き出して
「じゃあ約束ね‼︎」
「おぉ‼︎」
関谷も小指を出し、指切りげんまんをした。
「こんな彼女いたらもうお腹いっぱいだわ」
なんて冗談言いながら見つめてくる溺愛な関谷に、目を合わせられない茉侑であった。