この瞳だけを見て
翌朝、ソファに座りテレビを見ながらコーヒーを飲んでいた智哉の携帯からメールの着信音がした。
メールを見てすぐに、キッチンにいた祐奈に声を掛けた。
「祐奈、今日の夜予定空いてる⁇」
「ん?…今日⁇」
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その日の夜20:00
イタリアンのお店を予約していた智哉は、関谷と富沢と合流した。
「小西くん久しぶり‼︎」
富沢は学生時代と相変わらず明るかい笑顔を見せた。
「高校卒業振りだよね⁉︎賢人から話は聞いてるよ」
「ビックリでしょ⁉︎まさかって…」
「ほら、智哉は鈍いから気付かないって」
関谷はくすくす笑いながら、智哉の肩を叩く。
「俺全然気付かないんだよね‼︎」
「この事、まだ祐奈には話してないよね?」
「うん、まだしてないよ。今日は少し残業しないといけないみたいで、先に始めててって‼︎」
「そっか、祐奈仕事忙しいのか…」