この瞳だけを見て




「なんかさ、筋肉あるよねとかマッチョって最近言われるようになって、でもあんまり思ってなかった。実際自分では本当はね。別にそんな普通だし、筋肉じゃないしって、ずっと納得してなかった」


「いつ自分で気づいたの?」


「ある日鏡の前に立って見てみたら、『肩幅やば』ってなって、俺ってこんな筋肉質だったっけ?って、客観的に見て俺は割とがっしりしてるタイプだったんだっていうのをそこで改めて気付いて認識したんよ」


「骨格がしっかりしてそう」


「確かにそうかもしてるかもね」


「もういいよ、俺の話はさ⁉︎」



智哉が話を強引に切ったところで、お店の入り口のドアが開く音がした。



キョロキョロと店内を見渡している祐奈を見つけた茉侑が「こっちこっち‼︎」と手を振る。



「ごめんね…遅くなって‼︎」


「この時期は仕事忙しいでしょ⁉︎」


「まぁね〜、それより関谷くんと茉侑いつぶり?」


「俺は高校卒業振り」



智哉から話はちょくちょく聞いてはいたけど、もう4年ぐらい会ってなかったのか…





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