この瞳だけを見て




「あのね、祐奈…今日は報告というか、話しておきたいことがあって…」



さっきまでの智哉への愛あるいじりの時の雰囲気と打って変わって、少し冷静になり自然と堅苦しく姿勢を正して座る。



「私、賢人と付き合ってるの」


「えっ⁉︎えっそうなの⁉︎」



案の定、祐奈は驚いた反応を見せた。


だけど確か高校の時に誰よりも1番早く気付いていたけど、いや…まさかなと疑わず、その後は何も言ってこなかった。


あの後、本当に付き合うなんて微塵にも思わなかったのだろう。



「ちゃんと祐奈にメールじゃなくて、直接話したかったの。隠してたわけじゃないから、誤解しないでね?」



「うん、分かった。いつから付き合ってるの?」


「高3の卒業間近で俺から告白して、すぐにお互い県外の大学に進んだから…」


「月一ぐらいの頻度で会ったりして、今に至るってわけ」


「遠距離恋愛してたんだ…」





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