この瞳だけを見て




席替えをして、ひと段落ついたと思いきや、休む暇なく次は委員決めが始まった。



「まずは学級委員だな。誰かやりたい人はいますか?」



クラス中がざわざわしだして、誰も手を上げようとしない。


そんな中、小西くんの後ろの席に座る関谷くんが右手を伸ばし肩を叩いて話しかける。



「学級委員は智哉っしょー‼︎智哉行けって‼︎笑」


「えぇ〜やだよ〜笑笑」



小西くんは苦笑いをしながら、関谷くんに「やめろやめろ」と言っていた。


2人のやりとりを聞いていた他のクラスメイトの男子が便乗してきて



「とーもーや!とーもーや!」



智哉コールが教室中に響いた。


困り果てた末に小西くんは覚悟を決めたのか



「…じゃあ俺がやる‼︎」



小西くんのその一言をキッカケに、委員決めはその後トントンと決まっていき一件落着した。





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