この瞳だけを見て
放課後になり、陽が少しずつ落ちてきた頃。
祐奈は1人で運動場手前にある自動販売機へ向かい、ジュースを買おうとボタンを押した。
下の方からジュースが落ちてきたので屈んでジュースを取ったところに、誰かの足跡が背後で止まり、人の気配を感じた。
ふと後ろを振り返ると、そこには小西くんがいた。
「そのジュース、賢人も好きなんだよなー」
私が右手に持っていた飲むヨーグルトの紙パックを見て、そう呟いていた。
「本を読んだり、勉強する前にこれを飲むと集中出来るの」
「そうなんだ。糖分補給は大事だよね」
小西くんの左手には飲み終わって空になったペットボトルがあり、ポイっとゴミ箱に捨てた。