この瞳だけを見て
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一方、祐奈はあくびをしながら靴を履き替え、校舎から外へ出た。
やっと家に帰って思う存分寝れる…
もう寝ることしか頭の中になかった。
校門を出て1人歩いていると、背後から自転車のタイヤの音が近づいてくる。
自転車がキーっとブレーキの音が聞こえ、歩いていた自分と並んだので、隣を振り向くと自転車に跨っている小西くんの姿があった。
2人とも止まったまま目を合わせていた。
「ねぇ、コンビニ行かない⁇」
「コンビニ⁇何で?」
小西くんは周りをキョロキョロ見渡してから祐奈に声を掛ける。
「後ろ乗って‼︎」
「いや、学校の近くだから2人乗りバレたらまずいんじゃ…」
「今なら大丈夫だから、俺を信じてよ‼︎」
祐奈の腕を掴んで、自転車の荷台に乗せる。