この瞳だけを見て
祐奈は苦笑いを浮かべながら、関谷くんに声をかける。
「アイス食べ切らないから関谷くん食べてくれる?」
「えっいいの?」
やったーと言いながらアイスを受け取る関谷くんに対して、祐奈は小西くんの目を見て
「私、もう帰るね。アイスご馳走様でした‼︎」
「駅まで送ろうか?」
「すぐそこだから大丈夫‼︎またね‼︎」
手を振って歩いてコンビニを後にした。
小西は祐奈の後ろ姿を複雑な心境で見ていた。
「智哉、何で原さんと一緒にいたんだよ⁉︎」
「1人で帰ってたから、一緒に寄り道しようってことになって。賢人はどうなの?原さんのアイス食べるなんて、いつから仲良くなったの?」
「えっ、分からない。アイスが美味しそうに見えたから食べただけ」
「えっ⁉︎」
特別仲良くない女子のアイスを食べるなんて、相変わらず度胸があることするな〜と関心してしまう。
賢人の前では笑っていたが、まだモヤモヤ感が拭えずにいた。