この瞳だけを見て




その入場門前を気にする素振りも見せず通過して、歩いて運営テントへ歩いて向かう祐奈の隣には、部活の先輩が並んでいた。


先輩は入場門前を振り向きながら見て、隣にいる祐奈に声をかける。



「あの2人と同じクラスなんでしょ⁉︎」


「はい、そうですよ」


「彼女いるのかな?まぁあんだけカッコ良くて人気あればいないわけないよね⁉︎」



すれ違うと誰もが必ず振り返ったり、視界に入ると目を追ってしまう程、魅力的な2人なのは承知の上ではある。


でもただのクラスメイトだと思っていた自分の予想を遥かに超えた人気を誇っていたことを再認識した。



「さぁ〜。彼女の話は聞いたことないから、今はいないんじゃないですか?」



祐奈は首を傾げながら苦笑いを浮かべる。


実はこの話をするのは初めてではない。委員会や校内掃除の時も何故か同じクラスだからと、とばっちりを受ける。


その都度、上手く話を交わしてはいるので、この話題に関してはもう慣れっ子である。





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