この瞳だけを見て
続けて祐奈は先輩にこう答える。
「普段から部活ばっかりで、男女共に仲良くしてるって感じですよ」
「祐奈ちゃんってそういうの関心ないの?きっとあの2人を狙ってる子は多いと思うんだけどね〜」
「私はただのクラスメイトとしか見てませんから…苦笑。そうですよねー。でも意外とそういうのってかなりの鈍感じゃなければ気付くんじゃないですか?自分に近づいて来る人は何か目的があるんじゃないかって」
祐奈は笑って話を切り上げ、放送部の隣のテントに入っていく。
用意されていたパイプ椅子に座り、目の前にある茶色のテーブルに置かれた賞状が視界に入り、両手で持ち上げ、表面を左手でなぞった。
祐奈は書道部所属なので、テント内で表彰状作成にあたる事が決まっているので、必要な道具をテーブルに揃え準備をした。