この瞳だけを見て
「お願い、俺と来て‼︎」
小西に左腕を掴まれ、その場を立ち上がり走って運動場へ訳もわからずに着いていく羽目に。
小西と祐奈が目の前を走り去るところを目撃した関谷と茉侑は動揺が隠せなく
「何?どういうこと?」
「さぁ〜⁉︎」
2人とも顔を見合わせ、首を傾げた。
小西と祐奈はそのままゴールテープを切り、なんと一着でゴールしたのだった。
掴まれていたはずの腕が、走っている間でサラッと手を繋いでいたのだ。
思わずじっと繋がれた手を見てしまった。
気付いた小西は「ごめん」と言って手を離した。
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借り物競走が終わり、祐奈は再び入場門へ戻る。隣で小西も並んで歩いていたので気になることを聞いた。
「借り物競走のお題って何だったの?」
手に握っていたお題の紙を咄嗟に後ろへ隠した。
小西は「あー、」とか言って誤魔化すから、「ねぇ、教えてよ‼︎気になる〜」と駄々を捏ねてみる。
下から顔を左右に動かし覗いたりして強引に問い詰めると、小西の右手に紙が握られているのがチラッと見えたので、すかさず腕を伸ばして取り上げた。