この瞳だけを見て
「ちょっとコンビニ寄ってもいい?」
コンビニに立ち寄り、お菓子コーナーの陳列を眺める祐奈を遠目から見ていた小西は、自分と会うために頑張ってオシャレしてきたなと、惚れ惚れしていた。
だがあえて口には出さない。
祐奈が先に商品を選び終え、レジで会計をする時、お財布が無くて焦ってカバンの中を探していると、背後に小西がやって来て
「あ!お財布忘れたんでしょ〜」ってニヤニヤしながら言ってくる。
横から手を伸ばし、サラッとお金を払ってくれた。
「ありがとう、ごめんね‼︎後でお金返すから」
「いいよ、別に返さなくても」
「そしたら、智哉の望みを一つ叶えてあげる‼︎」
コンビニを出た後に、先を歩く祐奈の手首を小西が掴んだ。
「じゃあ…今日は何でも言う事聞いてくれるんだよね?」っていたずらな笑顔で手を握ってくる。