この瞳だけを見て




仕事分担もすんなり決まると、クラスの模様替えや、大道具・小道具製作にあたり始めた。



「一回、試作はしてた方がいいんじゃない?」


「確かに、試作は大事よね‼︎」



調理係の茉侑の提案により、試作を行う事になり、食材調達係が動き出した。


小道具を作る係に混ざって作業していた小西は、ちらっと祐奈の方を見た。


お財布を持ってクラスを出て行こうとする祐奈に、駆け寄った。



「俺も買い出し行こうか?」



祐奈に話しかけた瞬間に2人の間に立ちはだかったのは、関谷だった。



「智哉はリーダーなんだから、クラスに残ってないとダメだろ⁉︎」



小西は関谷の肩をトントンと軽く叩いて、残念そうな声で



「そっか…そうだよな」



納得はしているものの、どこか不満げ。それでも気持ちが悟られないようにと、祐奈の方に視線を向けた。





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