この瞳だけを見て
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日が落ちて時刻は20時
クラスには祐奈と小西の2人だけが残って作業をしていた。
「そろそろ帰ろうか」
「うん、そうだね」
「さっき買い出しに行った時のレシート持ってる?」
「うん」
祐奈はお財布の中に入れていたレシートを取り出して渡した瞬間、小西に手首を掴まれ、グイッと身体を寄せられた。
「買い出し、遅くなかった?」
「そっそうかな?」
苦笑いを浮かべる祐奈の表情に首を傾げる小西は、レシートを受け取り、ファイルにしまう。
ん?ちょっと不機嫌?いつもと様子が違う。
「もしかして…嫉妬してる?」
祐奈が小西くんの顔を覗き込むと、完全に拗ねている小西くんを見て、思わずクスッと笑ってしまった。
「うん、俺も買い出し行きたかった」
「小西くんって、嫉妬するんだね」
「そりゃするよ〜‼︎」
2人きりになると嫉妬され、小西くんを可愛いと思った祐奈であった。