この瞳だけを見て
フリードリンクを取りに行っていた小西の元に、茉侑が廊下を勢い良く走り駆け寄って来る。
「富沢さん、どうかした?」
「祐奈がポッキーゲームするって言ってるんだけど⁉︎」
「えっ…今なんて?」
✳︎ ✳︎ ✳︎
ひょんな事から景品の誘惑に乗っかる形で、ポッキーゲームに参加する事に。
「まじで本気でやるの?」
「うん、頑張る‼︎」
祐奈のやる気を見て、小西は「えぇ⁉︎」と半ば呆れ苦笑い。
クラスメイトは2人の様子を見ながら「カップルだから余裕でしょ?」と言われて、開始前からだんだんドキドキしてしまう祐奈。
半ば後悔し始めた祐奈を見て、小西はフッと口元が緩む。
「本当に出来んの?」
ポッキーを咥えると少しずつ噛み進んでいくのを見ていたクラスメイトも内心ハラハラ。
結構際どいギリギリの所まで行ったが、恥ずかしくなって離してしまった祐奈を引き寄せて、口が当たるか当たらないくらいで
「はい、俺の勝ち〜笑」
って言いながら小西が拳を上げた。