この瞳だけを見て



祐奈はカラオケボックスを出て、心臓バクバクで廊下の壁に寄りかかっていると、見兼ねた小西も部屋から出てきた。


手にはポッキーが入った袋を持っていて、祐奈の目の前で一本取り出す。



「さっき逃げたでしょ?もう一回しよ?」


「えっもう一回⁇」


「うん、今度は逃げないでやってよ!」



笑顔の小西に促され、仕方なく2回目をする事に。


廊下の真ん中だと目立つ為、腕を引かれ非常階段前の扉があるような隅に連れて行かれた。


ポッキーゲーム第2回戦、少しずつ噛み進んでいくと、再び口が当たるか当たらないかの距離になる。



小西は目の前にいる祐奈の表情をチラッと見て、ニヤッと口角を上げ迷わずに進んでいく。


1回目の時より、なんか攻めてない⁉︎


と思っていた僅かな隙を狙われ、2回目は本当にキスをされ、どうすることもできない祐奈はキスを受け止め海に溺れた。



その後、無事に賞品である商品券1000円×5枚をゲットしたのだった。





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