この瞳だけを見て
《 2022年 7年後の現在 》
お風呂から上がり、長い髪をタオルで拭きながらリビングに出てきた祐奈は、キッチンでお湯を沸かして珈琲を注ぐ智哉の姿があった。
お風呂上がりの祐奈を見て智哉は
「もう上がったの〜のぼせちゃった⁉︎顔真っ赤だよ」
と言いながらニコニコしながら頭ポンポンしてくる。
「ほら、おいで髪乾かしてあげる」
ソファの方へ連れて行かれ、ソファに腰掛け、足の間に祐奈を座らせた。
ドライヤーをかけて髪を乾かしながら、智哉は祐奈に話しかける。
「さっきコンビニでポッキー買ったでしょ⁉︎懐かしいな〜。祐奈は文化祭の打ち上げでしたポッキーゲーム覚えてる⁉︎」
「覚えてるよ‼︎忘れるわけないじゃん‼︎私の黒歴史なんだから」
「あれ、黒歴史なの?自分からするって言っておいて⁉︎俺は凄い度胸あるなって感心してたんだけど」
「そうだったの?まぁ〜ポッキーゲームから次第に距離が縮まった気がするんだよね〜」