この瞳だけを見て
智哉はドライヤーのスイッチを切って、手櫛を通しながら片耳に髪をかけた。
「はい、終わったよ」
「ありがとう」
後ろを振り返った瞬間、智哉の顔が近距離にあって目が合った瞬間、思わず祐奈からキスを落とした。
祐奈からの不意打ちを喰らい、目が点になる智哉は
「なに可愛いことしてんの⁉︎」
ってちょっとビックリするが、そのまま今度は智哉からもう一度深めのキスをしてくれて、ニコッと微笑む。
このニコッと微笑んだ時の智哉がかっこよすぎて、罪だわ…と心の中で祐奈は叫ぶ。
コンビニで買ったポッキーを指差す智哉は、意地悪そうな笑みを浮かべながら
「あの時みたいにもう一回ポッキーゲームする⁉︎」
「本気で言ってる?絶対やらない‼︎」
「はははっ、そう言うと思った‼︎冗談だよ」
智哉は笑ってスルーしたけど、拒否し過ぎただろうか。内心ガッカリしたかな…ちょっと心に引っかかってしまう。