この瞳だけを見て




祐奈は智哉の二の腕をトントンと叩く。



「ねぇねぇ」


「ん?」



智哉が振り返えればちゅ、って触れるだけのキスをした。



「智哉、怒らないで…」



智哉の首に手を回せば柔らかく微笑んでキスをしながら、優しくソファに倒される。



「怒ったりしないよ?でもその代わりに…いい?ダメなんて言わせないけどさ」



普段のニコニコと笑っているふわふわの雰囲気とは違い、ちょっと男らしい智哉も好きだ。



「沢山、俺を呼んで」


「いつも呼んでるのに?」



初めてお互いを下の名前で呼ぶようになった頃をふと思い出す。





< 63 / 136 >

この作品をシェア

pagetop