この瞳だけを見て
祐奈は智哉の二の腕をトントンと叩く。
「ねぇねぇ」
「ん?」
智哉が振り返えればちゅ、って触れるだけのキスをした。
「智哉、怒らないで…」
智哉の首に手を回せば柔らかく微笑んでキスをしながら、優しくソファに倒される。
「怒ったりしないよ?でもその代わりに…いい?ダメなんて言わせないけどさ」
普段のニコニコと笑っているふわふわの雰囲気とは違い、ちょっと男らしい智哉も好きだ。
「沢山、俺を呼んで」
「いつも呼んでるのに?」
初めてお互いを下の名前で呼ぶようになった頃をふと思い出す。