この瞳だけを見て
「今日の夜電話してもいい?」
「うん、いいよ‼︎待ってる」
じゃあねと手を振り駅前で別れた後、茉侑は祐奈の腕をガッチリ掴む。
「2人でいるとこ見てたら、見てはいけない気持ちになる。甘い、甘すぎる雰囲気が‼︎」
「いつもと変わらないよ⁉︎」
「なんて言うのかな…2人の話し方が優しくてのんびりふんわりで癒される感じ⁉︎尊いってこのことを言うのかな?」
「大袈裟だよ〜」
「小西くんって凄いリーダーシップがあってクラスの中心にいる存在なんだけど、実はふわふわしてるよね」
しっかりしてるけど、ふわふわしていて、いい意味でぬけてるところが可愛いことに気づき始めた。
それを周りも同じように気づき始めていることに、少し嫉妬してしまう私が何処かにいる。
好きな相手を自分のものにしたい、独占欲というものが少なからずあるのかもしれない。
でもそう思っているのは、私だけなのかな。