この瞳だけを見て




その日の夜、小西くんと長電話をした。


記念すべき初デートの行き先の話しからと思いきや…



「まだ俺の事、名前で呼んでくれないね」


「あっそういえばそうだね。名字呼びでも不自由はないよ?」


「呼び捨てだと嬉しいんだけど。ねぇ、今呼んでみてよ」


「やだよ、恥ずかしい…」


「何でよ〜電話なのに⁉︎じゃあ俺は祐奈って呼んでもいい?」


「ご自由にどうぞ」



急にお互いの呼び名を名前にしようと小西くんが提案するものの、呼び慣れなくて祐奈は自分の部屋で1人電話をしながらパタパタと手で顔を仰ぐ。



「話戻るけど、今度どこに行きたい?俺はどこでもいいよ‼︎」



「うーん、そうだね…。じゃあ私行きたいところがあるんだけど」





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