この瞳だけを見て





「ごめん、遅くなって。…俺の彼女になんか用ですか?」



そこには息を切らしている小西くんの姿があった。



「いや…特になんも」



小西くんを見るなりナンパをしてきた人が渋ったら



「じゃあ祐奈行こう‼︎」



小西は祐奈の手を繋いでその場を立ち去った。



少し離れたところで、小西は祐奈に向かって話し始める。



「ごめんね、俺がもう少し早く来ていれば…」



小西が自分を責め始めたので、祐奈は首を振る。



「小西くんは悪くないよ⁉︎むしろピンチのところを助けてもらったし、ありがとう‼︎」


「よかったよ、何も起こらなくて。ところで今日はどこに行くの?」


「行ってからのお楽しみね‼︎」



そう言って繋がれていた手を引っ張る祐奈を見て、小西は「えっどこ行くの〜⁉︎」と呟く。





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