この瞳だけを見て




路地裏を通り、一件のカフェを見つけた。カフェの外観には羽根の壁絵があり、目に止まると左手で壁絵を触った。


路地裏ということも相まって、人通りも少ない。まだ知名度が低いのかもしれない。



「今、インスタ映えスポットって流行ってるでしょ?」



祐奈は携帯の写真ホルダーから羽根の壁絵前で撮られた他人の写真を小西に見せた。



「へぇ〜凄い、よく知ってるね」



小西は羽根の壁絵の前で無意識に手を広げてるところに祐奈が



「小西くん、羽根の前に立ってよ‼︎早く早く‼︎」



祐奈は強引に小西を羽根の壁絵の前に立たせ、両手をズボンのポケットに入れてポカンとしている小西に



「このまま立っててよ、はいチーズ」



カシャっと写真を撮った。


写真を撮っている間、本当に小西の背中に羽根が生えているように見えた。





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