この瞳だけを見て




何枚か撮り終えると「撮ったよ、見てみて!」と祐奈は笑顔で小西に駆け寄り、写真を見せた。



「祐奈は撮らなくていいの?」


「私はいいの、自分より人を撮るのが好きだから、それよりお店の中に入ろうよ‼︎」



再び祐奈は小西の手を取り、カフェの中に入っていった。


ケーキショーケースには何種類ものケーキがあり、どれも美味しそうで目移りしてしまう。



「決まった?」


「うん、じゃあマスカットのタルトケーキとカフェラテ‼︎」


「分かった。先に席取っててくれる?」



小西に言われ、窓際の席を取って座っていると、ケーキとコーヒーをトレーに乗せて持ってきてくれた。



「お待たせ‼︎」



わーい‼︎とパチパチ拍手をして小西くんを迎えた。



「何頼んだの?」


「俺が選んだのはモンブラン、ケーキの中で1番好きなんだ」


「へぇ‼︎私はタルトケーキが好きなんだけど、中でもマスカットだと最高‼︎」


「マスカットも美味しいよね」





< 70 / 136 >

この作品をシェア

pagetop