この瞳だけを見て




2人で笑いながら手を合わせていただきますをして、ケーキを一口食べて「美味しいね」と言い合う。


「今日まだ序盤なのに楽しいなぁ」


「遊びに誘ったら『それってデートだね』って喜んでくれたよね」


「ダメ?嫌だった⁇」


「ダメじゃない全然、嬉しかった」



食い気味に否定する小西くんに、思わず笑みが溢れる。


優しくて包容力のある声に終始ドキドキしてしまう。



「小西くんの好きな物がだんだん分かってきたよ」


「お!なになに?」


「甘いもの、辛いもの、何でも好きで決められない。食べることが好き。好き嫌いはない。強いて言えば、アイスはバニラ味、ケーキはモンブラン、カレーが好き。抹茶も好きだったよね。インドア・アウトドアどっちも派。あと大の負けず嫌い」


「よく分かってるね笑。俺の事を知っていってくれて嬉しいよ」



その言葉にドキッとしてしまった。何故なら、告白された時に『ゆっくりでいいから俺を知って欲しい』と言われていたから。





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