この瞳だけを見て
「でもさ、負けず嫌いって感じることあった?」
「普段はないけど、スポーツも勉強も人一倍努力しているところとかかな?」
クスッと笑いながらケーキを一口食べていると、横髪が前に落ちてきて、小西くんがさり気なくサラッと指で耳掛けをしてくれた。
自分の事だけでなく、周りも見える視野の広さには、感心してしまう。
カフェを出て、周辺のインスタ映えスポットを巡った後に、公園のベンチに座って喋っていた。
「あとしてみたい事が1つあって、スーパーで手を繋ぎながらお買い物するの。しかも制服でね」
「そんな事でいいの?それだったら、学校が終わった後とかでいいんじゃない?」
「やったー‼︎」
嬉しそうに笑う祐奈を見て小西は、肩を抱き寄せた。
えっ⁉︎となる祐奈は小西と近距離で目が合い、キスされると思ったら寸止めされる。
勘違いしてしまい恥ずかしくなった祐奈は、ベンチから立ち上がりブランコがある方へ歩いていく。