この瞳だけを見て




年が明け、20××年1月中旬


祐奈の右手にはセンター試験の受験票が握られていた。


背後から茉侑に「何してるの?ほら行くよ‼︎」と声をかけられ、祐奈の前には茉侑・関谷・小西が歩いていて、走って追いついた。


試験開始時刻になり、「始め」の合図で問題用紙を開き、解答していく。



✳︎ ✳︎ ✳︎



2日間のセンター試験も無事に終わり、翌月2月14日


この日は言わずも知れぬ、大イベント【バレンタインデー】だ。



智哉は普段通り登校して靴を履き替えようと、靴箱を開けた途端、何かが入っていたのが見えて咄嗟に閉めた。



「あれ…今日なんの日だっけ?」



昇降口に入り、「おはよう」と小西に声をかけた茉侑はいつもの様に靴を履き替える。


靴を履き替えて後ろを振り返ると、小西から異様な雰囲気を漂わせていたのを察した茉侑は、小西の横に並ぶ。






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