この瞳だけを見て




✳︎ ✳︎ ✳︎



一方、祐奈は智哉にクッキーを渡そうとリュックの中に忍ばせていた。


智哉に渡すのとは別に、友チョコとクッキーを用意していた。


クラスメイトの女子達と共に友チョコを配っているところに関谷がやってきた。



「抹茶って食べれたっけ?」


「うん食べれる」



祐奈は関谷に手渡しすると、関谷はすぐに食べ始める。



「智哉には渡したの?」


「それが…クラスが違うと渡すの難しいよね。受験も終わって図書室で勉強する約束も終わっちゃったしな〜」


「じゃあ俺が代わりに渡してあげよっか⁉︎」


「何で関谷が⁉︎関谷に渡したら絶対に食べちゃうでしょ⁉︎」


「あっ、バレた‼︎」


「ちゃんと自分で渡す‼︎無理だったらその時考える」


「そっか‼︎」



関谷は彼なりに気を遣ってくれたのかもしれない。


でも自分で渡さないと意味がないと思っている。


だがしかし、ずっと渡そうと思ってはいたものの、クラスが違うので渡すタイミングが分からずに1日が過ぎてしまった。





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