この瞳だけを見て
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放課後になり、隣の教室を覗くと男友達と談笑している智哉がいたので、「靴箱に入れとこっかな…」ってなって、入れて帰ったのだが…
1人帰り道歩いていると、「そういえば名前書くの忘れてた…最悪だぁ…」っとしょんぼりしていたら
急に後ろからリュックを掴まれてビックリして後ろを振り返ると、めちゃめちゃ走って来てくれたらしく、息が上がっている智哉がいた。
「どどうしたの⁉︎大丈夫⁉︎」って自分がクッキーを靴箱に入れたのをすっかり忘れて普通に心配してしまう。
すると智哉は祐奈が靴箱に入れていた袋を右手に持っていた。
「これ、祐奈が入れてくれたよね」
「えっなんで⁉︎」
「今日祐奈さ、クラスメイトにチョコと抹茶のクッキーあげてたよね」
「あぁうん…」