この瞳だけを見て




祐奈がリビングに来た時には、朝食が出来ていて智哉がテーブルにお皿を並べていた。



「今日久々に夢を見たんだけど」


「うん」


「智哉がバレンタインのチョコを沢山貰ってる夢だったの」


「俺が出てきたんだ‼︎そうだな〜正直友チョコが多かったかも、いっぱいは貰ってたかもしれんけど」


「いや、多分それ、本命だよ…。恥ずかしくて言えないから友チョコって言ったんだよ‼︎」


「えっ、あれ全部本命やった?13個?13個だったかな?」


「貰った数、よく覚えてるね」



智哉は学生時代自分が周りの女子から好意を寄せられていることに、ガチで1ミリも気付かずに生活していて


フレンドリーかつ紳士的な対応を無意識に繰り返して女子のハートを知らず知らずのうちに、射抜いちゃっているので本当にこの罪は重い。





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