この瞳だけを見て
式が進んでいきクラス順で2列に並び退場していくのを、保護者はビデオや携帯の動画を撮る。
祐奈のクラスになり、茉侑ママが祐奈ママに「祐奈ちゃんキタキタ‼︎」と声をかけた。
じーっと目で追いながら体育館を後にするまで見送った。
「なんかさらに可愛くなったよね祐奈ちゃん」
「いや〜何にも変わってないわよー」
「やっぱり彼氏がいるから綺麗になっていくのよね〜」
「えっ?彼氏?」
「あれ⁉︎聞いてないの?祐奈ちゃん彼氏いるみたいよ?」
何も聞いていなかった祐奈の母親は動揺していたのは束の間で、すぐに次のクラスが通路を通っていく。
「ねぇ、覚えてます?入学式で見たイケメンあの子じゃない?」
「あっそうそう‼︎よく分かったわね、えーっと苗字は…」
制服の胸元になる名札を見て苗字を確認した。