この瞳だけを見て
飲みの席に戻ると、祐奈と智哉は隣同士で座った。
するとサークルの仲間が祐奈に問いかける。
「祐奈はモテるよね〜」
「そうなの?」
隣に座る智哉が咄嗟に祐奈の方へ振り向いた。
男子学生が便乗してさらに畳み掛ける。
「どんなタイプが好きなの?」
「ん…居心地がいい人が好きかな?」
「じゃあ悪い男は嫌ってことだね」
「小西はダメだね」
「そうなんですか?」
今度は祐奈が智哉の方をチラッと見る。
「みんなに優しいから誤解させちゃうんだよ」
「口説いて落ちない人はいないはずなのに、そういう浮いた話は聞かないよな⁉︎」
「喋りすぎだ、もう黙って‼︎」
「さては…靡かない女がいるんだな」