この瞳だけを見て




飲みの席に戻ると、祐奈と智哉は隣同士で座った。


するとサークルの仲間が祐奈に問いかける。



「祐奈はモテるよね〜」


「そうなの?」



隣に座る智哉が咄嗟に祐奈の方へ振り向いた。


男子学生が便乗してさらに畳み掛ける。



「どんなタイプが好きなの?」


「ん…居心地がいい人が好きかな?」


「じゃあ悪い男は嫌ってことだね」


「小西はダメだね」


「そうなんですか?」



今度は祐奈が智哉の方をチラッと見る。



「みんなに優しいから誤解させちゃうんだよ」


「口説いて落ちない人はいないはずなのに、そういう浮いた話は聞かないよな⁉︎」


「喋りすぎだ、もう黙って‼︎」


「さては…靡かない女がいるんだな」





< 96 / 136 >

この作品をシェア

pagetop