この瞳だけを見て




「靡かない女?誰それ?」



ここで智哉が問い詰められ素直に答えるかどうか悩み、声を詰まらせていたところで、テーブルの下から祐奈が手を伸ばして膝の上にある智哉の手に触れた。


手を触れられた瞬間、少し動揺していたがすぐに冷静さを取り戻した。


祐奈は手を離そうとした瞬間に、智哉が手を強く握り返して笑みを浮かべた。


それを隠そうとして智哉は唇を舐め、祐奈の方は平静なふりをしてビールを飲み続けた。



「もうこの話はおしまい‼︎飲みましょ‼︎」



無理矢理にでもこの話を終わらせて、サークルの先輩達にお酒を注ぎ足していった。





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