溺愛は嬉しいですが、自立させていただけませんか?
プロローグ
いつも通りの朝。
顔を洗い、歯を磨いて、髪を結って、制服を着て。
私、伊月 愛紗(いつき あいさ)には、長所がない。
ドジで、可愛くなくて、ダサくて、クズだ。
そんな私をいつも気にかけてくれる人がいる。
その人の名は––––
羽山 律(はやま りつ)。
律くんとは、小さい頃からの幼馴染だ。
「おい!クズ愛紗!早くしろ!」
そんな彼のキツイ言葉に、少し身を強張らせながら、私は律くんとともに学校へ行く。
「ごめんね。律くん。今日も待たせちゃって…」
「ブスなくせになんでそんな時間かかるんだよ。」
そんな彼の毒舌は、いつものように健在である。
いつも彼は、私にキツイ言葉を使う。
そう、私だけに。でも、彼の言葉はどこか優しい。
だから、私は彼の言葉に言い返すなんてことはしない。
私達は無言で通学路を進む。
「あ、きたぞ!我らの天使!!」
私達が門をくぐった途端、そんな声がざわざわとしだす。
「今日もかわいいなぁ。」
「イケメン幼馴染騎士さんと一緒にご登場だよ。」
「ほんと、お姫様みたいだよなぁ!」
「「「「俺たちの天使、愛紗たん!!!!」」」」
また、囃し立てられてるなぁ。律くん。
やっぱり、私みたいなやつと一緒とか、律くん、迷惑なんじゃ…。
「おいブス!」
「は、はい!」
「勘違いすんなよ?あんな戯言。」
律くんは、そう注意深く言う。
「え?何のこと?あれは、律くんが崇拝されているって、ことなんじゃないの?」
律くんは微笑を浮かべると、
「それでいい、愛紗。」
と、呟く。名前で呼ばれて、嬉しくなる私。
だが、律くんはとっとと教室へ向かう。
私は、足早に歩いて律くんを追った。
顔を洗い、歯を磨いて、髪を結って、制服を着て。
私、伊月 愛紗(いつき あいさ)には、長所がない。
ドジで、可愛くなくて、ダサくて、クズだ。
そんな私をいつも気にかけてくれる人がいる。
その人の名は––––
羽山 律(はやま りつ)。
律くんとは、小さい頃からの幼馴染だ。
「おい!クズ愛紗!早くしろ!」
そんな彼のキツイ言葉に、少し身を強張らせながら、私は律くんとともに学校へ行く。
「ごめんね。律くん。今日も待たせちゃって…」
「ブスなくせになんでそんな時間かかるんだよ。」
そんな彼の毒舌は、いつものように健在である。
いつも彼は、私にキツイ言葉を使う。
そう、私だけに。でも、彼の言葉はどこか優しい。
だから、私は彼の言葉に言い返すなんてことはしない。
私達は無言で通学路を進む。
「あ、きたぞ!我らの天使!!」
私達が門をくぐった途端、そんな声がざわざわとしだす。
「今日もかわいいなぁ。」
「イケメン幼馴染騎士さんと一緒にご登場だよ。」
「ほんと、お姫様みたいだよなぁ!」
「「「「俺たちの天使、愛紗たん!!!!」」」」
また、囃し立てられてるなぁ。律くん。
やっぱり、私みたいなやつと一緒とか、律くん、迷惑なんじゃ…。
「おいブス!」
「は、はい!」
「勘違いすんなよ?あんな戯言。」
律くんは、そう注意深く言う。
「え?何のこと?あれは、律くんが崇拝されているって、ことなんじゃないの?」
律くんは微笑を浮かべると、
「それでいい、愛紗。」
と、呟く。名前で呼ばれて、嬉しくなる私。
だが、律くんはとっとと教室へ向かう。
私は、足早に歩いて律くんを追った。