君の笑顔に涙する

 「ところで凛、さっき何見てたの?」
 「あ、えっとね、あれ」

 そう凛が指を指したのは、窓。

 「……窓?」
 「窓の向こう。あの、青色がぶわーって広がっているやつ。あと、あのピカピカ光ってる、眩しいもの。なにかなーって」

 凛の言葉に、僕は首を傾げながら聡と一緒に窓から外を見る。
 青色がぶわーって広がっているやつ……?

 外を見渡すが、それらしきものは見当たらない。

 「なあ、有。もしかして……」

 そう聡は、人差し指を上に向ける。僕は首を傾げつつも、上へ視線を移す。
 そんな僕の目に映ったものに、僕は驚きが隠せなかった。

 「……もしかして凛、空のことを、言ってるの……?」
 「そら? あれ、そらって言うの?」

 凛の言葉に、僕と聡は顔を見合わせる。
 もしかして、ピカピカ光っている眩しいものって……。

 「えっと……凛、あの光ってるのは、太陽」
 「たいよう? へー!」

 そう楽しそうな笑顔を見せる凛。そんな凛に、僕と聡はもう一度顔を見合わせる。

 「ねえ聡くん、聡くんはサッカー部なんでしょ? 部活の話、たくさん聞かせてよ!」
 「……おうよ!」

 元気な聡の返事から、他愛のない話が始まった。
 部活の事、宿題の事、夏休みの予定の事。

 聡が明るいことで話し、凛はそれを楽しそうに聞き、嬉しそうに笑う。
 その間、僕はそんな二人をただ見ているだけだった。

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