君の笑顔に涙する
学校へと着き、僕と凛は教室の前で別れる。凛は一組で、僕は三組。
「じゃあ、またお昼にね!」
そう凛は笑って、教室の方へと駆けていった。その背中が消えるまで、僕はずっと見つめていた。
教室に入れば、自分の席である窓側の後ろから二つ目の席に座る。朝のホームルームが始まり、少しして授業が始まった。僕は、授業の間、ずっと外を眺めていた。
夏休みが始まる、一週間前の今日。
強い日差しに、雲一つない青色の空。校庭の端には、ヒマワリが凛々しく咲いている。
そんな風景に、僕は一年前のことを思い出していた。
あの日も、強い日差しに、青色の空、凛々しいヒマワリ。
僕は、あの日のことを一生忘れないだろう。
あの日、僕は浅野凛と出会い、恋をした。
その時の凛は……そうだな、青い空に一点輝き、強い日差しを放ち、ヒマワリを凛々しく見せる、太陽だった。
そう、そんなありきたりな比喩を思いながら、そっと苦笑いをこぼした。